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トーキョーワンダーウォール都庁2015 稲川江梨

東京都庁第一本庁舎3階南側空中歩廊

 

私は夢を見ていました。事務所の机の上に、2階へ続く階段が伸びています。現実の世界ではもちろん、机の上に階段なんてありません。この夢をきっかけに描いたのが「階段」の絵です。 夢で見た光景を絵にすると、面白い内容の絵になります。寝ている時に脳が無意識に作り出す出来事は、現実ではありえない、違和感のあるものだからです。しかし、絵の内容だけではなく、現実的には破綻した空間を、現実の平面空間(絵の中)で成り立たせることで起こる、絵の空間ならではの面白さがあります。 この展覧会では、そのような不思議な面白さのある「夢で見た光景」の絵を展示しました。